ギタリストが作曲する時の落とし穴

ギタリストが作曲する時の落とし穴

いろんな曲がコピー出来るようになってくると、『自分の曲』を書きたくなるものですよね?
その前の段階では『誰かの曲』の『ギターソロ』だけでも『自分流のソロ』を『アドリブ(即興演奏)』で弾きたくなります。

どちらも似たようなスキルを要しますが、一つ絶対的に違うところがあります。

作曲時に心の中で奏でる『メロディ』は『即興演奏』ではないというところ。
一部分が『偶然思いついたメロディ』であっても、全てのコーラスが偶然にも一挙にアドリブで出てくるなんてことは先ず無いからです。

このマスターメロディですが、メロディだけでは楽曲として成立しません。
いわゆる伴奏が必要になります。
伴奏の主な役割は『コード(和音)』ですよね。
メロディに対して『どんなコードでアプローチ』するか!?

このアプローチの時に、ギタリスト独特(リフを主体とするメタル系ギタリストに多い)の『落とし穴』が待っているようです。

いったい何が起きてるのでしょう!?

ギタリストが作曲する時の落とし穴

僕は作曲時には『ギタリスト』という武器は殆ど使いません。
作曲は『作曲家』がやるものだからです。
なので当然僕も『作曲家』としてメロディと和音だけを考えます。

そんな僕がギタリストに変身する時は幾つかの条件下に限ります。

曲の提供場所が自身のバンドである
その作品がギターが前面に出たハードな楽曲である
メロディと和音が決まってアレンジの段階に入る時


上記三つが揃った時に『アレンジの段階』で『ギタリスト』からの景色で曲の与奪権を発揮するのです。
この時の『ギタリスト』は強権です。
ハードロックやヘビーメタル、超ハイテクなプログレッシブな音楽では特に。

理由は。
アレンジ段階では『楽曲』に顔となる『リフ』や『テンポ』、『拍の構築』まで考えるからです。
ちなみに僕のバンドでは歌のメロディだけではなく、歌詞も書いてました。
それらは『ドラマーへの指定』『ベーシストへの指定』『キーボディストへの指定』を含みますから、殆どの楽器に精通してないと『セルフプロデュース』は出来ません。
全てが絡み合って初めて『楽曲』が完成します。

この過程で『ギタリスト』然として『作曲』してる方が陥る落とし穴。
語弊を恐れず敢えて極端な言い方をすると。

『リフ』を主体とした『アレンジ』先行で書いてしまい、一番大事な『メロディ』が後回しになってる傾向にあるのです。

なぜアレンジ先行型になってしまうのか

ギタリストが作曲出来るようなスキルを取得していく過程で『バンド』は非常に大きな役割を担っています。
それらは『ギタリスト』にとって練習ではなく『遊び』の延長であり、気の合う仲間(バンド)との楽しい時間です。
なんとなくコードを決めて、お気に入りのリフを入れて、ギターソロがあって。。。

そんな空間でボーカリストがテキトーにシャウトしてるうちに『カッコいいメロディ』が偶然にも重なって。。。
パープルもオジーもツェッペリンも各パートの即興演奏が重なって名曲を生んでたのです。
こういったバンド然とした楽曲の作り方は今の時代でも『カッコいい』とされてるようで、ハード系のバンドでは定番の作曲方法でもあります。

一般的なバンドスタイルのギタリストは上記のようなバンド内での立ち位置やギターという楽器の特性上、『サウンド(楽曲完成時の)』志向が非常に強く『楽曲完成以前』のマスターメロディに然程の興味が無いのです。

必然的に…メロディが浮かんでもないし出来上がってもいない状態で『和音』の構成に入ってしまう。
それは『一定枠の縛り』の中で『メロディ』を絞り出すという、非常に『自由度の少ないエリア』で限られた『音』しか使えないという理不尽な環境です。

これは『落とし穴』以外の何物でもありません。
『降りて来たメロディ』と『そこにあるものをテキトーに選んだメロディ』とでは、和音が乗った時の『手触り』が全然違うことに気付いてないのです。

慣れなくてどんなに時間がかかっても『メロディ』はメロディだけに集中して、極力『和音』に頼らない事が『上質な手触り』を手に入れる秘訣であると思うのです♪

どうしても和音とセットで作曲したい場合は

そうはいっても作曲時の『ギター片手にコードをぽろーん』って創作の仕方を曲げられない、またはそれしか出来ないという方へのお勧めの方法があります。
先ず、『リフ』は頭から撤去してください!
メロディとの共作は相性が悪いからです。
どちらも『エリア』を狭くし『お互いを攻撃しあう』相性最悪のカップルですから。(笑)

コードをぽろぉ~ん!って時は白玉!
テンポは『バラード』オンリー♪
こうする事で『メロディ』が主役になって、和音が脇役に徹することになります。


この『バラード』っていう設定がミソ!
完成度の高いメロディは『テンポ』や『曲調』に左右されません。
ゆったりとした白玉和音は『和音』の力を発揮しづらい状態です。(アルペジオのように主張がありません)
あなたが作曲中に浮かんだメロディを『使う』『使わない』の判断に迷った時、和音の力に頼ってないメロディ優先の中でも『このメロディは自分の心を打ってるか?』というジャッジがしやすいですよね?
バラードで作曲すると『メロディ主役』の曲が完成しやすいのです!

歌メロが一通り完成して初めて『アレンジ』に入ります☆彡

ここで『シャッフル』にするも良し!
ハイテンポな『ブギ』も良し!
重い感じの6/8でも良し!
ツーバスドコドコのスラッシャーなテンポもカッコいいですよね♪
編曲(アレンジ)してる訳ですから、サビ頭にして⇒リフっていう展開でも良いでしょう☆彡

このように『メロディありき』でリフを考え各パートの設定をするとき、その『景色』はギタリスト然とした編曲の世界とは別世界のはずです!
ギタリストの重要な仕事の一つ『リフ』を作成する時、自身で作った『メロディ』を一番高い所に設定して『和音』で支えるという『景色』は今までの『なんちゃって編曲』の枠を飛び出て『メロディ』に合った『上質なリフ』『強力なリフ』『歌心を支えるリフ』として『楽曲の顔』となる事でしょう☆彡

リフも作曲である!

世の中に出回ってる『リフ』の殆どが、本人の自覚なくとも『誰かが以前に創作した』ものの『焼き直し』であることが多いです。
70年代~80年代にかけて、時代が呼んだ天才たちの影響は必ず『あなたをモノマネ奏者』に誘います。
今の時代に『カッコいい』と『斬新』を両立するのは難しいでしょう。

ここでお勧めのステップアップ術を伝授☆彡
『リフを作る』という概念から『リフを作曲する』という風に脳内を変換してみてください♪
指板上に無造作に?無意識に?普段から『ぱっと押さえるコード』的なフォームではなく、一音と一音、またその上に一音、まさしく『コード(和音)』を作曲するのです!
ぽろーん!っと鳴らしてみては悩み。
ぽろーん!っと掻き鳴らしてみては考え。

悩みに悩んで和音が完成したら、今度は『リフ』に変換してみる。

ここでもギタリスト然とした『指癖』や『普段使ってるコード』『押さえ慣れたコードフォーム』という『限られた枠の中』でしか展開出来ない『リフ』ではなく、『制約されてない自由なエリア』から『選び抜いた音によるリフ』を作る時、そこからの景色や手触りは今までとは全く違うはずです☆彡

最後に

どうでしたか!?
皆さんの『作曲』が『自由』で『制約のない』音たちによって、完璧な手触りとなるキッカケとなれば幸いです♪
『ギタリストの顔』と『作曲家の顔』を手に入れたら、一味違うギタリストになってるはず♪

美しい曲
カッコいい曲
悲しい曲
奮い立つ曲
勇気を貰える曲

さてさて。

あなたはどんな曲を作るのですか?

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