ランディ・ローズの凄みを味わうべし

ランディ・ローズの凄みを味わうべし

伝説のギタリストやギターヒーローって沢山いますよね♪
そんな競争率の激しいギターヒーローの枠。
名を連ねるだけでも相当な難易度です。

そんなギターヒーロー界に燦然と輝く男がいます。
その名は『ランディ・ローズ』。
イングウェイがクラシカルな旋律を引っ提げてデビューする少し前に、『元祖クラシカルロック』を世に送り出した不世出の天才です。

ランディ・ローズの凄みを味わうべし

ランディの功績は決して他者を圧倒する『実績』で語れるものではありません。
その短すぎる足跡では実績を残すチャンスもありませんでした。
実質的な世界デビューから計アルバム二枚が彼の足跡です。

全くの無名ギタリストを当時世界的アーティストであったオジーが迎え入れる事で起きた『マジック』が功績なのでしょうか。

ランディのギタープレイと言えば『クラシカルロック』ってイメージですよね!?
でもよくよく考えてみれば『使い古された』ロックなのです。
ディープパープルが10年以上前にある程度のパッケージングに成功してますし、その後のレインボーでもより完成度を高めた作品が多数世に出ています。

世界中の人々が使い古されたスタイルに驚愕し度肝を抜かれたのは何故でしょう!?
その疑念の中に『ランディ・ローズの凄み』が確実に存在し、色んな人達を信者にしてしまった男の魅力が隠されていたのです。

クラッシック奏者が転身したことで奇跡を起こす

前章で『世界中の人々が使い古されたスタイルに驚愕し度肝を抜かれたのは何故でしょう!?』と問いました。
当時それほど新しいアプローチではなく、ある意味使い古されてた『クラッシックロック』というカテゴリーで成功した理由を紐解いていきます。

パープルやレインボーの楽曲とランディの楽曲は一聴すると極端な差異は感じられません。
旋律そのものがどちらも『クラッシック』テイスト溢れる音階で構成されてるからです。
ハードロック特有のリフ、こちらの存在感も甲乙つけがたいです。

では何が決定的な違いとなって世界中のロックファンが魅了されたのか?

意外に単純な理由でした。
ギタープレイが『クラッシック』だったのです。
レインボーでもパープルでも、バンドサウンドにおいてクラッシックな音階や旋律を取り入れてはいます。
ですが肝心のギタープレイは『ロックギタリスト』がクラシカル風に演奏してるだけなのです。
当たり前っちゃぁ~当たり前です。
リッチーブラックモアは不世出の天才ですが、『クラッシック奏者』ではありませんから。

ところがランディは違います。
世界的な有名奏者ではありませんが、当時既にクラッシック奏者として教室を営み、将来的には『クラッシック音楽』の高等教育を受けようと資金を貯めてた『本物のクラッシック奏者』だったのです!

ガッチガチのクラッシック奏者がレスポールを駆り、マーシャルスタックアンプにジャックインし、フィードバックをコントロールしながらハードゲインなサウンドを纏い、楽曲だけではなく『クラシカルなギタープレイ』そのもので『クラシカルな旋律』を操ったというところがランディの『凄み』であり、オジーをあそこまで狂喜乱舞させた『マジック』のバックボーンだったのです!

ランディの旋律を盗め!

さぁ~ここからはギター上達に繋げていいきますよ♪
ランディの真骨頂である『本物のクラッシック奏者』が奏でる旋律は、どの曲で花開いてるのか?
オジー在籍時のアルバムは二枚。
どちらも総じてクラシカルな旋律で埋め尽くされています。
その中でもより濃くクラシカルな旋律や音階が凝縮されてる曲を二曲紹介していきますね!

Revelation (Mother Earth)

一曲目は『ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説』から『Revelation (Mother Earth)』です。
物凄い音階です!
『オカルト』テイストに組み込まれた『陰湿なクラッシック』の匂い、その中で歌い上げるオジーのメロディは何処か不安定で寂しげでもあります。
二度のリフレインを経た後『闇が明けたかの様な安ど感』と『これぞクラッシック』というピアノソロを伴った旋律がストリングス系の音源を有効に使いながら展開していきます。

このまま優雅で美しいギターソロか!?

リスナーにそう信じさせて再び『バロック調』のリフが。。。
そのあとに怒涛のクラシカルなソロが展開されます!!
まさに神がかった瞬間でしょう!?
そして不安定な旋律を残り香として次なる『楽曲』に橋渡ししていく。

この曲の特筆すべき点は『クラシカルな雰囲気を音源に頼っていない』というところ!
全体に流れる『バロック』的な質感は『教会音楽』然とした(例えばパイプオルガンや声楽)音源を使った方が簡単なのですが、ランディはそこに頼ってはいないのです。
バロック調の質感を『旋律』のみで再現しています。
実際に手に取って触ってみた時…僕はランディの只ならぬ天賦の才を感じてしまうのです。

ダイアリー・オブ・ア・マッドマン

二曲目も強力です!
遺作となるセカンド・アルバム『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』からダイアリー・オブ・ア・マッドマンです!
ランディの真骨頂はここでも炸裂!

『怒り』や『絶望』を感じさせる手触りを再現しながら『不安定な旋律』の中に『湿気のある質感』を混在させた絶妙なクラッシックギターによるイントロ。
そこに同じくハイゲインサンドなギターが乗っていく。。。
マスターメロディも完璧な調和を魅せます。
ギターソロ前に展開する『物悲しくも愛を感じさせる』美しいメロディも神がかってます!
そのあと幾つかのリフレイン。
そして衝撃を伴う『バロック』的なメタルなリフ!
無調で終止感の無い旋律でソロが展開されますが、小節数も少なくあくまでもデコラティブな表現として追加したソロなのでしょう。

ここでもランディはギターソロにもメタル的な勢いにも頼ることなく、ただ旋律のみで勝負してきます。
やはり…ランディはガッチガチのクラッシック奏者だったのです。
たまたま在籍したバンドがハードロックバンドだったので『オジー・オズボーン』というカテゴリーの中で『クラッシック音楽』と『ロック』を融合せざるを得なかったのでしょう。


ランディはこれらの楽曲が目標ではなかったと後に語ったと言われています。
片手間に再現した楽曲がこのクオリティ。。。

寒気すら感じてしまいます。
『神』に愛されすぎたのでしょう。
決して大袈裟な比喩ではなく、本当に素晴らしい旋律を奏でています。

そして程なく彼は天国に旅立っていきました。

最後に

どうでしたか!?
ランディの凄みを感じてもらえたでしょうか?
テクニック的に言えば特に飛び抜けた凄腕ギタリストではありません。
そんな簡単に手に入るギタリスト的スキルなんて小道具では、神の領域である『旋律』は生まれて来ません。
神にこよなく愛されたランディを本能的にオジーは見抜き、その傍で歌う事によってオジー自らも神に愛されたかったのではないか!?

ランディが亡くなった後、オジーが狂気を感じさせるまでに酒やドラッグに溺れていったのも、オジー自身が『神』に見放されたかのような喪失感を味わったからなのでしょう。

上記の考察は個人的な手触りなので確かなものではありません。
でもこの手触りは事実です。
僕の世界では事実なのです。。。

皆さんも触ってみて下さい。
あなたの世界ではどんな事実が存在しますか?

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